断裁とは?裁断との違い・化粧断ちとの違いを製本のプロが解説
パンフレットやチラシ、DMなどの印刷物を発注する際、「折り加工」という言葉を目にすることがあるのではないでしょうか。折り加工にはさまざまな種類があり、用途や目的によって適切な折り方を選ぶことが大切です。
この記事を読んでわかること
- 折り加工の基本的な定義と役割
- 14種類以上の折り加工の特徴と違い
- 用途別におすすめの折り方
- 背割れ・紙割れを防ぐための注意点
印刷物の発注を検討されている方、パンフレット制作に携わるデザイナーの方に向けて、製本のプロが折り加工について詳しく解説いたします。
折り加工とは
折り加工の定義と役割
折り加工とは、印刷された用紙を指定の位置で折り曲げる加工のことを指します。チラシやパンフレット、リーフレット、ダイレクトメール(DM)など、さまざまな印刷物に用いられています。
折り加工の主な役割は以下の通りです。
- 大きな用紙をコンパクトにまとめ、持ち運びや郵送を容易にする
- 情報を段階的に見せることで、読者の興味を引きつける
- ラックやスタンドに陳列しやすいサイズに仕上げる
- ページをめくる楽しさを演出し、印刷物に付加価値を与える
機械折りと手折りの違い
折り加工には、機械折りと手折りの2種類があります。
機械折りは、折り機と呼ばれる専用の機械を使用して加工する方法です。大量の印刷物を短時間で均一に折ることができるため、商業印刷では一般的にこちらが採用されます。コストを抑えながら安定した品質を確保できることが特徴です。
手折りは、文字通り人の手で1枚ずつ折る方法です。少部数の印刷物や、機械では対応できない複雑な折り方、厚手の用紙などに用いられます。機械折りに比べてコストは高くなりますが、細やかな調整が可能です。
折り加工の種類一覧
折り加工には多くの種類があります。ここでは、代表的な折り方を紹介いたします。
二つ折り(センター折り)
二つ折りとは、用紙の中央で半分に折る最もシンプルな折り方です。A3用紙を二つ折りにするとA4サイズに、A4用紙を二つ折りにするとA5サイズになります。
パンフレットや会社案内、招待状など、幅広い用途に使用されています。見開きでデザインを展開できるため、写真やイラストを大きく見せたい場合にも適しています。
巻き三つ折り
巻き三つ折りとは、用紙を3等分し、片方の面をもう片方の面の内側に巻き込むように折る方法です。「C折り」と呼ばれることもあります。
リーフレットやDM、料金表などによく使用されます。折り込む面は他の面より2〜3mm短く設計する必要があるため、データ作成時には注意が必要です。
外三つ折り(Z折り)
外三つ折りとは、用紙を3等分し、山折りと谷折りを交互に行うことでZ字型に折る方法です。「Z折り」「蛇腹三つ折り」とも呼ばれます。
巻き三つ折りとは異なり、折り込む面のサイズ調整が不要なため、データ作成が比較的容易です。展開すると3面が同時に見えるため、一覧性の高い情報を掲載する際に適しています。
巻き四つ折り
巻き四つ折りとは、用紙を4等分し、両端を内側に折り込んだ後、さらに半分に折る方法です。コンパクトに仕上がるため、ポケットに入れて持ち歩くような印刷物に適しています。
折り込む面のサイズを段階的に調整する必要があるため、データ作成時には折り順を考慮した設計が求められます。
外四つ折り(蛇腹折り)
外四つ折りとは、用紙を4等分し、山折りと谷折りを交互に行う方法です。広げるとアコーディオンのような形状になることから、「アコーディオン折り」「蛇腹折り」とも呼ばれます。
地図やフロアガイド、年表など、横に長い情報を段階的に見せたい場合に適しています。折り数を増やすことで、6つ折りや8つ折りにも対応できます。
観音折り
観音折りとは、用紙の両端を中央に向かって折り、観音開きのように左右対称に開く折り方です。
名前の由来は、観音開きの扉のように左右に開くことから来ています。高級感のある印象を与えるため、招待状や案内状、製品カタログの表紙などに使用されることが多い折り方です。
開き観音折り
開き観音折りとは、観音折りをした後、さらに中央で二つ折りにする方法です。「両観音折り」とも呼ばれます。
コンパクトに折りたためる一方で、開くと大きな1枚の紙として情報を見せることができます。ポスターを折りたたんで配布する場合などに使用されます。
十字折り
十字折りとは、用紙を縦と横の両方向に折る方法です。まず半分に折り、さらに90度回転させてもう一度半分に折ります。
大判の用紙を小さくまとめる際に使用され、地図やポスターの折りたたみによく見られます。開いたときに十字の折り目が付くことが特徴です。
DM折り
DM折りとは、ダイレクトメールの発送に適した折り方の総称です。封筒に入れやすいサイズに仕上げることを目的としています。
A4用紙を長3封筒に入れる場合は巻き三つ折り、洋形2号封筒に入れる場合は二つ折りなど、封筒のサイズに合わせて折り方を選択します。
用途別おすすめの折り加工
パンフレット・DMには「二つ折り」
会社案内やサービス紹介のパンフレットには、二つ折りがおすすめです。見開きでデザインを展開できるため、写真やイラストを効果的に配置できます。また、シンプルな折り方のため、コストを抑えることができます。
4ページ構成(表紙・裏表紙・見開き2ページ)で情報を整理しやすく、読者にとっても分かりやすい構成が可能です。
ラック陳列用には「巻き三つ折り」
店頭のラックに陳列するリーフレットや、手に取って持ち帰ることを想定した印刷物には、巻き三つ折りが適しています。
A4用紙を巻き三つ折りにすると、長辺が約100mmとなり、標準的なラックに収まるサイズになります。表紙となる面にキャッチコピーやビジュアルを配置することで、手に取ってもらいやすくなります。
地図・フロアガイドには「蛇腹折り」
横に長い情報を掲載する地図やフロアガイド、年表などには、蛇腹折り(外四つ折り以上)がおすすめです。
必要な部分だけを開いて見ることができるため、使い勝手が良いことが特徴です。折り数を調整することで、情報量に応じた柔軟な設計が可能です。
折り加工の注意点
折り込む面のサイズ設計
巻き三つ折りや巻き四つ折りなど、面を内側に折り込む加工では、折り込む面を他の面より2〜3mm短く設計する必要があります。
これは、用紙の厚みによって内側に折り込まれた面が膨らみ、外側の面からはみ出してしまうことを防ぐためです。この調整を行わないと、折りがきれいに仕上がらず、見栄えが悪くなることがあります。
背割れ・紙割れを防ぐ対策
厚手の用紙やコート紙を折り加工する際に起こりやすいのが「背割れ」です。背割れとは、折り目部分のインキが剥がれたり、用紙の繊維が割れて白く見えたりする現象を指します。
背割れを防ぐための対策としては、以下の方法があります。
- スジ入れ加工:折り位置にあらかじめ筋を入れ、折りやすくする
- 用紙の選定:折りに強い用紙(上質紙やマットコート紙など)を選ぶ
- 折り目のデザイン:折り位置に濃いベタ面を避ける
- PP加工:表面にPP(ポリプロピレン)フィルムを貼り、強度を高める
特に135kg以上の厚手の用紙を使用する場合は、スジ入れ加工を行うことをおすすめいたします。
用紙の厚さ制限
機械折りには、用紙の厚さに制限があります。一般的な折り機では、110kg〜135kg程度が上限となることが多く、それ以上の厚さの用紙は手折りや特殊な機械での対応となります。
また、用紙が厚くなるほど折り精度が低下しやすくなるため、厚手の用紙を使用する場合は、事前に印刷会社・製本会社に相談されることをおすすめいたします。
よくある質問(FAQ)
Q. 折り加工の料金はどのくらいかかりますか?
A. 折り加工の料金は、折りの種類・部数・用紙の厚さによって異なります。一般的に、二つ折りが最も安価で、折り数が増えるほど料金が上がる傾向にあります。具体的な料金については、お見積りにてご確認ください。
Q. 折り加工のデータ作成で注意することは?
A. 巻き三つ折りなど折り込む面がある場合は、折り込む面を2〜3mm短く設計してください。また、折り位置付近には重要な文字や画像を配置しないことをおすすめいたします。
Q. 折り加工と製本の違いは何ですか?
A. 折り加工は用紙を折る加工のことで、製本は複数の紙を綴じて本や冊子にすることを指します。折り加工は製本工程の一部として行われることもあります。
Q. 背割れしにくい用紙はありますか?
A. 上質紙やマットコート紙は、光沢コート紙に比べて背割れしにくい傾向があります。また、用紙の目(繊維の方向)を折り目と平行にすることで、背割れを軽減できます。
望月断截製本所の折り加工サービス
望月断截製本所では、さまざまな折り加工に対応しております。二つ折りから複雑な折り加工まで、お客様のご要望に応じた加工が可能です。
背割れを防ぐスジ入れ加工や、厚手の用紙への対応など、製本のプロとして培った技術とノウハウで、美しい仕上がりをお約束いたします。
折り加工についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
折り加工は、印刷物の用途や目的に応じてさまざまな種類から選ぶことができます。
- パンフレットや会社案内には「二つ折り」
- ラック陳列用のリーフレットには「巻き三つ折り」
- 地図やフロアガイドには「蛇腹折り」
折り加工を行う際は、折り込む面のサイズ設計や背割れ対策など、いくつかの注意点があります。特に厚手の用紙を使用する場合は、スジ入れ加工を検討されることをおすすめいたします。
最適な折り加工の選定や、データ作成についてお悩みの方は、望月断截製本所までお気軽にご相談ください。